脱毛レーザー「Elite iQ」の使用経験と、リスクを最小限にするメラニンリーダー「Skintel®」が提供する新しい可能性

2023.05.25

今回、Jeisys Medical Japan株式会社より販売が開始された脱毛機Elite iQについて当院での使用経験を報告する。Elite iQは1996年に販売が開始したLPIRの後継機種Eliteシリーズの最新機種である。 755nm Alexandriteと1064nm Nd: YAGの2波長を搭載しており、フルエンスやパルス幅の設定範囲が広いだけでなく、最大の特徴としてメラニン含有量を数値で計測するSkintel®が搭載されている。これにより、数値で肌の色を評価でき安全な脱毛治療を提供できる。特に院内で患者の肌の色に基づきパラメーターを決定する際に、数値化された指標を参考にできる点は大きなメリットとなる。 当院における、約3か月間での評価について報告する。


脱毛レーザー「Elite iQ」の使用経験と、リスクを最小限にするメラニンリーダー「Skintel®」が提供する新しい可能性

上原拓也 先生

Jeisys Medical Japan株式会社のHPをご覧いただき、ありがとうございます。

近年、医療レーザ脱毛のニーズは女性のみならず男性にも増え、年齢層も広がっています。しかし医療レーザ脱毛に興味があっても、効果や安全性に不安を感じるという方も多いのが事実です。

エリートiQは1996年に販売開始されたLPIRの後継機「Elite」シリーズの最新機種です。755nmのアレキサンドライトレーザと1064nmのNd: YAGレーザを搭載し、フルエンスやパルス幅の設定範囲が広いのはもちろん、その最大の特徴はメラニン含有量を客観的に数値で測定する「Skintel®リーダー」にあります。

患者様のスキンタイプに基づきパラメーターを決定するにあたっては、数値化された指標を参考にできることは非常に大きなメリットです。エリートiQは、患者様により満足していただける医療レーザ脱毛施術を提供いたします。

今回は、昭和大学形成外科学講座・上原拓也先生に「エリートiQ」についてご紹介いただきました。昭和大学では2022年10月に導入され、その後の約3か月間の評価についてご報告いただきます。

施術例とともにご覧ください。

【目次】

  1. エリートiQの概要・使用法(8:22~)
  2. Skintel®リーダーとは(11:20~)
  3. Skintel®リーダーの使用方法(11:53~)
  4. エリートiQの症例(16:31~)
  5. まとめ(22:26~)

1. エリートiQの概要・使用法(8:22~)

エリートiQは2波長システムを搭載した熱破壊式のレーザ脱毛器です。

脱毛にゴールドスタンダードなアレキサンドライトレーザ(755nm)とNd: YAGレーザ(1064nm)の2波長を搭載しており、エリートiQ一台でさまざなスキンタイプに対応できる、長期的な減毛を目的としたレーザ装置です。

アレキサンドライトレーザは明るいスキンタイプに最適で、より薄くより細い毛の脱毛に向いています。

Nd: YAGレーザは暗いスキンタイプを含むさまざまなスキンタイプに適応し、深い部位までエネルギー伝達が可能です。

ハンドピースは軽量で、取り回しの良い設計となっています。モダンで洗練されたUIデザインにより、モニターでの識別性が良いのも特徴です。

また併用する冷却装置の「クライオ6」は照射前から後まで持続的に冷却した空気をあてることで、治療での疼痛や熱傷のリスクを軽減します。室内の空気を利用するため消耗品のコストも発生しないのもメリットです。

さらに付属している「Skintel®リーダー」は脱毛治療には重要であるスキンタイプのアセスメントにおいて大きな役割を果たします。

2. Skintel®リーダーとは(11:20~)

エリートiQの最も大きな特徴が「Skintel®リーダー」です。Skintel®リーダーは患者様の肌の色の判別をサポートします。

アレキサンドライトレーザは高いメラニン吸収率を持っています。そのため、肌の色の濃い方には熱傷のリスクが予想され使用できません。エリートiQであればNd:YAGレーザも搭載しているので、肌の色の濃い方の脱毛にも対応が可能です。

ここで、スキンタイプの判別により、アレキサンドライトレーザか、Nd:YAGレーザのどちらを使用するのかという判断が難しい場合があります。スキンタイプの判別には、相応の経験値が必要となるからです。

しかも、日本人のスキンタイプは判別が難しく、日焼けなどによる肌の色の変化がある場合は判別が特に困難となります。レーザ脱毛治療では、スキンタイプに応じて波長や出力を細かく調整することが重要です。設定を間違えると、患者様に熱傷や色素沈着を負わせるリスクが生じます。

Skintel®リーダーで客観的にスキンタイプの判別をサポートできれば、患者様に安心感を持っていただけるとともに、施術者側にとっても安全性に配慮した診療提供の可能性が高くなります。

3. Skintel®リーダーの使用法 (11:53~)

Skintel®リーダーは3波長のLEDの反射により0から99のメラニンインデックス(MI)を検出します。

皮膚表面の色の判別だけでなく、皮膚のメラニン含有量の客観値であるメラニンインデックス(MI)を測定できます。

また、Skintel®リーダーはエリートiQに接続可能なため、照射部位ごとのテストパラメータをはじきだしてくれます。
実際にSkintel®リーダーでスキンタイプを計測し、どのように波長を選択しているかについては動画の13:08〜13:53をご覧ください。

4. エリートiQの症例(16:31~)

当院では23症例の内、減毛を実感したのは22例であり、副反応も1週間以上の治療を要するものはありませんでした。

症例は全て日本人で、メラニンインデックス(MI)の体感は上記のようになり、目視とのズレがある症例もいくつかありました。

以下、詳細をご紹介いたします。

【メラニンインデックス(MI)15〜19の例】

メラニンインデックス(MI)16の被験者で、手背にアレキサンドライトレーザを照射。1ヶ月後に減毛がみられました。メラニンインデックス(MI)15〜19の患者様は実際に脱毛レーザを希望する中心層となると思われ、アレキサンドライトレーザが適していると考えられます。

メラニンインデックス(MI)18の被験者で、ヒゲにアレキサンドライトレーザを照射。減毛がみられました。

【メラニンインデックス(MI)20〜24の例】

メラニンインデックス(MI)20の被験者で、腋窩にアレキサンドライトレーザを照射。減毛が見られました。
メラニンインデックス(MI)20〜24の患者様は基本的にアレキサンドライトレーザが適していると考えられます。

メラニンインデックス(MI)21の被験者で。胸部にアレキサンドライトレーザを照射。減毛が見られました。

【メラニンインデックス(MI)25〜30の例】

メラニンインデックス(MI)29の被験者で、前腕にNd: YAGレーザを照射。減毛が見られました。

メラニンインデックス(MI)25〜30の患者様には波長の選択が難しく、注意が必要と考えます。25~26にはアレキサンドライトレーザ、29~30にはNd: YAGレーザ、27~28の中間の症例にはNd: YAGレーザで反応をみながら出力調整をすることで、副作用を最小限にした施術ができると思われます。

5. まとめ(23:25~)

脱毛のニーズは女性から男性まで、年齢も目的もますます広くなっています。スキンアセスメントには相応の経験が必要ですが、Skintel®リーダーでスキンタイプを客観的に測定できることで、より効果的な脱毛治療が可能になると考えられます。

患者様の不安を軽減し、リスクを抑える施術を可能とするエリートiQは、患者様に合わせたオーダーメイドな施術を可能とし、医療レーザ脱毛の新しい未来を感じさせる機器です。

診療のレベルを高め、患者様の満足度をより向上させたいとお考えの先生方に、ぜひおすすめいたします。

他のセミナー

資料請求
お問合せ