地方都市型クリニック16年の経験

2024.07.23

福岡で美容皮膚科をしております、セイコメディカルビューティークリニックの曽山聖子と申します。『地方都市型クリニック16年間の経験』と題しまして、私の試行錯誤が参考になりましたら幸いです。


地方都市型クリニック16年の経験

 曽山聖子 先生

Jeisys Medical Japan株式会社のホームページをご覧いただきありがとうございます。

福岡で美容皮膚科をしております、セイコメディカルビューティークリニックの曽山聖子と申します。『地方都市型クリニック16年間の経験』と題しまして、私の試行錯誤が参考になりましたら幸いです。

【目次】

  1. 開業前に行った7つのこと(6:34〜)
  2. 分院(8:50〜)
  3. 私の失敗と反省(11:27〜)
  4. リピーターを増やす為の工夫(14:22〜)
  5. 導入する医療機器の選択(16:33〜)
  6. 私が目指す美容医療(19:45〜)

【本院の概要】

32歳のときに、鹿児島の天文館に開業し、軌道に乗ったので4年後に自社ビルを建てました。

来院の割合の多いのはフェイシャルです。また、医療機関でしか扱わないメディカルコスメを導入しています。一方で近年は、低価格の脱毛専門クリニックが増えているため、当院での脱毛の件数は減少しています。

マーケティングに関しては、外部委託をせずに院内に広報を2名置いています。オンラインショップやYouTube・Instagram・定期的なHPの更新・院内ポップを担っています。症例を取ったら即座に媒体へのアップができること、また連携が取りやすく、私の気持ちを汲み取ってくれるのが大きな利点です。コスト面でも、院内に広報部を作るのはおすすめです。

webに力を入れてはいますが、実際のところ、来院のきっかけは半分以上が紹介のことが多いです。しかし、入口はInstagramでも、HPを見て決定されるため、内容を充実させる必要があると感じています。

1. 開業前におこなった7つのこと(6:34〜)

企業理念に合わせて、ターゲット層の決定や、クリニックのポジショニングを決めていきます。ずっと大切にしていくものなので、考えることに時間をかけ「こんなクリニックにする」ということをしっかり決めました。

『黄金のおにぎり』という本(高橋朗著)の内容をクリニックに当てはめることで、理念の参考にしました。

具体的には、以下の通りです。

コアバリュー:クリニックが患者様に提供する価値の核心

パーソナリティ:クリニックを象徴する人物の人格(個性)

ベネフィット:クリニックが患者様に提供する具体的な便益

ファクト:パーソナリティとベネフィットを実現するための事実(仕組み)

これに基づいて、企業理念を設けました。

1.医学的根拠に基づいた治療の提供

2.一生信頼してお付き合いできるクリニック

この2つをスタッフとも共有し、忘れずに日々診療にあたっています。

2. 分院(8:50〜)

鹿児島での開業から10年、熊本に開業予定でしたが、地震による影響を受けて福岡院を開業することになりました。本院と同じように始めましたが、うまくいきませんでした。患者様の年齢層だけでなく、施術ごとにクリニックを使い分ける、専門性が求められる需要等に対応するのに2年ぐらいかかりました。

コロナ禍で、周辺地域に大手クリニックが乱立したため、より専門性に特化した美容皮膚科の必要性を感じています。

3. 私の失敗と反省(11:27〜)

低価格でのチケット利用を促す広告の使用で、これまで積み上げてきたクリニックイメージを損ない、既存の患者様が予約を取れなくなった経験から、ターゲット層と異なる広告はしないと決めました。

また、信頼できる業者さんを見極めることも大事です。機械を売るまではいい業者さんでも、一度売れたら急に連絡が取れなくなることが、実際にありました。聞きたいことも聞けないのでは、地方の個人クリニックにとって死活問題なので、とにかく見極めることが大事です。

さらに、毎年の流行だけに影響されて買ってしまうと、化粧品の在庫を抱えたりもしますし、機器もうまく回せないということになります。自分が試して心から愛しているものでないと、患者様にも心からおすすめできません。

4. リピーターを増やす工夫(14:22〜)

画像診断の機器を使って、必ず毎回写真撮影をするようにしています。これによって、前回との比較でモチベーションのマネージメントにも繋がりますし、次回への改善点も患者様と一緒に共有することでラポール形成が可能です。

また、治療の効果でだんだんきれいになっていくにつれ、もともとは気になっていなかった肝斑やしみに気が付くようになり、治療によってできたものだと思われることもあります。そのため、クリニックを守るためのリスク回避としても、写真撮影は必要です。

経過が良いと、患者様も喜んで症例をくださるので、症例は財産です。女性の場合、出産や介護等で治療を離脱される時期もありますが、ご自身の症例が残っていると戻って来てくださる方も多く、再来のきっかけにもなります。良質なコミュニケーションにも繋がるため貴重です。

5. 導入する機器の選択(16:33〜)

導入する機器については、かなりシビアに選定しています。安全性はもちろん、安定した治療効果というのも大事で、個人差がありすぎると満足度に繋がりません。

また、既にある機械とのバッティングも注意して、内容が被らないもの、価格に見合った効果を提供できるコストのものを選んでいます。

実際に自分自身が、価値を求めてその価格を支払えるかも考えます。さらに先述のように、業者さんのアフターフォローが確実に受けられるものとしています。

以上を踏まえたうえで導入したULTRAcel[zi:]ですが、治療は決して安いものではありません。最初にじっくりとヒアリングして、治療の重要性を伝えています。劇的さはないけれども、患者様に合わせてしっかりと照射していることをお話しています。

患者様の満足度を上げると、おのずとリピーターになっていただけます。

6. 私が目指す美容医療(19:45~)

最後に、私が目指す美容医療ですが、企業理念と変わらず「一生信頼してお付き合いできるクリニック」を目指しています。患者様のライフステージに寄り添うこと、時には治療を行わずにそっと耳を傾けることも必要です。

自由診療ですので、営利主義にならないように、定期的に意識しています。美容医療では、一万円は安いものです。でも、患者様の大事なお金をいただいている、その価値分の結果を出して満足度を上げるのだという意識を持っています。

あとは、自分の無理のない範囲で社会貢献をしていきたいと思っています。

【終わりに】

試行錯誤の16年でしたが、どんなマーケティングやweb戦略よりも、一人一人来てくださった方に、心を込めて最善を尽くすということに限る、そう思っております。

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