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進化を続けるPICO秒レーザー最新機器でかなえる次世代の美容医療
2023.05.25
進化を続けるPICO秒レーザー最新機器でかなえる次世代の美容医療
奥 謙太郎 先生

Jeisys Medical Japan株式会社のホームページをご覧いただきありがとうございます。
表在性および深在性良性色素性病変、などに対する、レーザ治療の選択肢を探している先生方も多いのではないでしょうか。そこで今回ご紹介したいのが、PICO秒レーザがさらに進化した機器「PicoSure Pro ピコセカンドレーザ(通称:ピコシュアプロ)」です。
今回は、HILLS GRACE CLINIC院長、奥謙太朗先生にピコシュアプロを使った次世代の医療についてご紹介いただきます。
Qスイッチ(ナノ秒)レーザ機器との違いに迷われている方、また現時点でQスイッチ(ナノ秒)レーザ機器をお使いのクリニック様にもお勧めのWebinarです。
【目次】
- ピコシュアプロについて(0:30~)
- ピコシュアプロの3つの特性(2:15~)
- 理想的な肌とは(6:26~)
- ピコシュアプロの2つの照射方法(8:53~)
- 実際の症例(14:17~)
- まとめ(26:55~)
1. ピコシュアプロについて(0:30~)

ピコシュアプロは、PMDAに医療機器として承認されたレーザー機器です。陽性表在性及び深在性色素斑に対してのアプローチ、外傷性の色素沈着症に対してのアプローチ、入れ墨の除去ができることが認められています。
形成外科で行われる、ピコシュアプロを使ったレーザー治療の中で「大田母斑」「異所性蒙古斑」「外傷性の色素沈着症」の3つが保険適応になります。
ピコシュアプロは、深在性の真皮に存在するメラノソームに対してアクセスが可能なレーザー機器として承認を得ているのが特徴です。
2. ピコシュアプロの3つの特性(2:15~)

ピコシュアプロには大きく3つの特性があります。
1つ目は、アレキサンドロッドを使用した755nmの波長が使用できることです。また、オプションで532、1064nmの波長の使用も可能なため、多色の入れ墨の除去にも有効に作用します。
2つ目は、スポットサイズ・フルエンス・パルス幅をそれぞれ先生方や患者さまの好みに合わせて細かく変更できるようになったことです。
3つ目は、フラクショナルハンドピースの使用が可能になったことです。
ピコシュアプロの755nmのレーザーでは、表皮内に存在するメラノソームをターゲットにして大きなエネルギーを作り、シグナルを真皮に伝達します。表皮で起こるLIOBに関する厳密なデータは、ピコシュアプロのみが持っている内容なのです。
3. 理想的な肌とは(6:26~)

理想的な肌の定義は2つです。
1つ目は、表皮と真皮の細胞が満足に働いていて、元気に機能しているかどうかという点。
2つ目は、真皮と表皮に求めていない構造体がないかという点です。この2つの点が恒常性として保たれているのが「理想的な肌」と言えます。
4. ピコシュアプロの2つの照射方法(8:53~)

フェーズ1
色素沈着の原因となるメラノソームや、メラノソームを沢山抱えたケラチノサイトを破壊・排泄させるための方法です。
500〜550psの比較的短いパルス幅、2.2〜4.5mmのスポットサイズを使用します。照射後にほんのり肌の色が変わったと感じる程度まで照射するのがポイントです。フロスティングを起こしたり、浮腫が起きて肌の厚みが変わったりするまでのパワーは必要ありません。
強いフロスティングを起こすと2〜3週間後にPIH(炎症後色素沈着)を起こす症例が多く見られました。
一方、このフェーズ1で照射した後にPIHを起こす可能性は、2.57%にとどまっています。
フェーズ2
肌のターンオーバーやリモデリングを早くして正常値に近づけるための方法です。フォーカスハンドピースを使い、500〜550psの比較的短いパルス幅、6〜10mmのスポットサイズで照射します。ショット数の目安は、全顔1000〜1500ショットです。肌がほんのり赤くなる程度で照射を終えます。
5. 実際の症例(14:17~)

ピコシュアプロを使用した実際の症例を見ていきましょう。こちらの患者様の要望は、目の脇にある盛り上がりのない脂漏性角化症の色素をピンポイントで抜きたいというものです。
色の濃い部分には、ショット数を増やしたりフルエンスを上げたりして対応すると、1回の施術でも効果的な治療を行うことができます。

(15:46~)こちらは、広範囲に伸びて厚みのある色素斑に対するアプローチです。今までこのような症例は、副作用の色素沈着を起こさないように治療するのが困難でした。しかしピコシュアプロを使った治療は、ダウンタイムが少なく1回の施術でも患者様の満足度の高い仕上がりになりました。

(16:23〜)細かい色素斑を含めた広範囲への照射が必要な患者様です。ピコシュアプロが得意とするアプローチは、目に見える色素斑だけではありません。UVカメラでしか見えない肌の奥に貯まっているメラニンを砕くため、肌全体のトーンアップや肌質の改善効果が期待できます。実際にこちらの患者様からは、照射6週間後にはゴワゴワした肌の質感がツルツルになったというお声をいただきました。

(18:35〜)淡い色素斑をなくしたい患者様です。ピコシュアプロはフルエンスとスポットサイズが調節できるため、1回の照射でも効率的なアプローチが可能になりました。
淡い色素斑への治療の場合、設定を強くして打てばいいわけではありません。大きめのスポットサイズでフルエンスを絞り気味に設定して、肌の奥深くにレーザーを届けることが大切です。

(23:41〜)ニキビや一時的な紅斑など、他の疾患と重なる色素斑へのアプローチです。このような真皮にある色素斑の場合、従来のレーザーでは色素沈着が起こりやすく治療が困難でした。ピコシュアプロを使い、3回の照射を重ねた結果をご覧ください。実際の治療では、スポットサイズを大きく、フルエンスを絞って設定しています。
6. まとめ(26:55~)
ピコシュアプロは、医療機器としての承認を得た波長755nmの医療レーザーです。真皮・表層の色素斑どちらにも効率的にアプローチでき、PIH(炎症後色素沈着)が起こりにくいため従来のピコシュアよりも高い治療効果が期待できます。
ダウンタイムや副作用などの患者様の不安の軽減や、1回の治療の満足度を高いものにしたいとお考えの先生方は、ぜひピコシュアプロの導入をご検討ください。